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福祉施設用語百選 第3話 児童福祉施設とは?

児童福祉施設はこどもの保育や養育にかかわる施設のことを言い、保育所、放課後等デイサービス事業所、児童発達支援センター、母子生活支援施設など、利用対象者と目的別に様々な施設があります。

児童福祉施設には主に下記の19種類があります。

保育所

保護者の就労や病気などの理由でこどもを家庭で保育できない場合に、0歳から小学校就学前までのこども預かる施設です。

保育所には認可保育所と認可外保育所の2種類があります。

認可保育所

厚生労働省の児童福祉施設最低基準が定めた職員数と 施設の広さ基準をクリアし、都道府県知事や市区町村長から認可を受けた保育所です。

認可保育所は設置基準がかなり細かく設定されていますが、法人や自治体なども基準を満たせば補助金を受け取りながら経営できる点が特徴です。

認可外保育所

認可外保育所(無認可保育所)の設置基準は、認可保育所のように厳しくありませんが、職員数と施設の広さには基準があります。

認可外保育所は認可保育所ほど規定が厳しくない代わりに、補助金を受け取ることができないため、運営費はすべて保護者からの保育料を充てることが基本です。

ただし、設置基準がさほど厳しくない分保護者のニーズを叶えやすいことから、認可保育所より保育料が高くなったとしても、一定の利用者がいます。

放課後等デイサービス事業所

小学校1年生から高校3年生の障がいを持った子どもや発達に特性を持っている子どもが利用できる施設です。

放課後や行事の代休、土曜日、祝日、長期休暇(夏休み、冬休み、春休み)などに利用することができ、障がい児の学童保育などと表される場合があります。

生活能力向上のための訓練等を継続的に行い、日常生活動作の指導、集団生活への適応訓練等を支援する療育の場であるとともに、放課後の居場所として、またご家族に代わり、一時的にケアを代替することで、ご家族の日々の疲れ等をリフレッシュしてもらう家庭支援サービスとしての役割も担っています。

保育所等訪問支援事業所

保育所・幼稚園・小学校・中学校・支援学校等に通っている子どもが集団生活にうまく適応できない場合に、療育の専門の訪問支援員が保育所や学校等に出向いて、子どもの特性に応じて集団生活への適応のための支援を行うための施設です。

集団への適応のために必要な訓練などの子どもへの直接的な支援や、保育所や学校等の先生に対する支援を行います。

保育所や幼稚園や学校との連携はもちろんのこと、保護者の方の同意を得て、医療機関やその他の施設との連携を行います。

障害児相談支援事業所

障害児の自立した生活を支え、児童とその家族が抱える課題の解決や適切なサービス利用に向けてケアマネジメントによりきめ細かく支援する施設です。

市区町村より指定を受けた障害児相談支援事業所が障害児支援利用計画を作成し、一定期間ごとにモニタリングや相談対応等を行います。

居宅訪問型児童発達支援事業所

外出することが著しく困難な障がい児に対して、訪問支援員(看護師・保健師・理学療法士・言語聴覚士などの国家資格保持者)が、居宅に訪問し児童発達支援・医療型児童発達支援を受けるために日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、生活能力の向上のために必要な訓練等を行います。

訪問時間は1回1時間前後になります。

福祉型障害児入所施設

福祉型障害児入所施設は、児童の保護と自立に向け日常生活で必要なトレーニングや知識、技能を身に付けられるように支援する施設です。

福祉型障害児入所施設で受けられるサービスには、以下のようなものがあります。

・介護サービス:食事、トイレ、入浴などを介護する
・相談支援:児童が日常生活を送る上での相談や助言をする
・機能訓練:身体面や日常生活での能力維持・向上のための訓練プログラムを提供する
・社会活動参加支援:仲間と一緒にレクリエーション活動などをして社会生活をする場所を作る
・コミュニケーション支援:社会生活を送る上で必要な「聞く」「話す」、しぐさなどコミュニケーションを身に付けるための支援をする

児童発達支援センター

障害児とその家族のための相談や「療育」など、総合的な支援を行う施設です。

「療育」とは、障害がある子が大人になった時、社会で自立して生きていけるように、それぞれのニーズに応じた支援を行って発達を促す取り組みです。

主に就学前6歳までの子ども達を受け入れており、日常生活の自主訓練や機能訓練を行なうことを目的としています。

児童発達支援センターは、「医療型」と「福祉型」の二種類があります。

どちらも障害児が家から通って、身辺自立に必要な知識や技能、動作を学び、集団生活に適応できるようになるための訓練などを行うことを目的としていますが、医療型は、医療を伴う治療を行う事もできるという点が福祉型と異なります。

医療型障害児入所施設

医療型障害児入所施設は、入院による医療を必要とする児童に対して、疾病の治療や看護、医学的管理のもとにおける介護、能力の維持・向上のための訓練、日常生活上の相談や助言など、個々に応じた支援を行う施設です。

主に肢体不自由のある児童、重度の知的障害及び身体障害が重複している児童、自閉症の児童が利用しています。

施設利用は原則18歳を迎える年度末までで、退所後は在宅復帰、就職、進学、療養介護施設を含む福祉サービスの利用など多岐に渡りその支援を行います。

児童心理治療施設

心理的問題を抱え日常生活の多岐にわたり支障をきたしている子どもに対して、医療的な観点から生活支援を基盤とした心理治療を中心に、学校教育との緊密な連携による総合的な治療・支援を行う施設です。

児童心理治療施設が援助の対象としているのは、心理的、環境的に不適応を示している満20歳未満の子どもとその家族です。

集団生活により子どもの状況の改善を図り、カウンセリングなどによる心理治療を行い、子どもの成長・発達と自立を援助します。

また、家庭から離れて集団で過ごすことにより、家庭の中だけでは解決できない人間関係の「ずれ」や「つまずき」からのひと休みや、心の見つめ直し、自分探し、仲間との協調と思いやりの心を養います。

児童相談所

0才から17才の子供の権利を守り、子供本人や子供の家庭の問題に対して援助を行う施設です。

家庭・両親からの相談受付、家庭についての診断や調査、家庭への指導、一時保護等、様々な「子どものサポート」についての役割を担っています。

児童相談所の機能は、大きく分けて「相談機能」「一時保護機能」「措置機能」に分類できます。

相談機能

子供の保護者や家庭・その他周囲からの幅広い相談を受け付ける窓口としての機能を持っています。

相談内容としては以下のようなものが挙げられます。

子供の問題行動:落ち着きが見られない、いじめられる、友達ができない等
子供の心身障害:言葉に遅れが見られる、知的発達障害があるのではないか等
子供の非行:家出、盗癖、乱暴行為といった問題
子供の生育環境:保護者の病気・家出・離婚等で子供の家庭での生活が難しい場合等
虐待行動:虐待をしたくなる・してしまうといった親からの相談受付、家庭内での虐待が行われているのではないかと感じた場合の周囲からの通告等

相談窓口では、事務官の他、医師・児童心理司・児童福祉司等の専門家が状況・相談内容に応じてアドバイスを行います。 医療機関での訓練、カウンセリング等が必要な場合には専門機関への紹介も行われます。

一時保護機能

家庭での虐待で子供の心身に問題が見られた場合、また保護者の死亡・家出といった問題で子供の保護が必要となった場合に、一時的に子供を預かる機能です。

児童相談所に付属する「一時保護所」という施設で子供たちは一時的に暮らすことになります。

措置機能

児童福祉司、児童委員等に子供やその家庭を指導させる機能です。

指導による改善が見られない場合や、入所の必要があると考えられる場合には、児童養護施設・グループホーム、児童自立支援施設や医療機関への入所を行うこともあります。

両親・家庭による子供の育成が難しい場合、里親への委託の手続きを行うのも児童相談所の機能のひとつです。

近年では、被虐待児・非行などの問題行動が多い児童・身体障害・精神障害等がある子ども等、長期的ケアを必要とする子供を対象に・ケア目的を取る専門養育家庭への委託を行うケースも増加しています。

児童養護施設

児童養護施設は、保護者のいない児童や虐待されている児童、その他環境上養護を要する児童を入所させて養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設です。

児童養護施設の役割は「家庭に代わる子どもたちの家」であることであり、特別ではなく、一般家庭と変わらない普通の暮らしを営みます。

児童養護施設の利用対象者は、主に以下の通りです。

・家庭環境不良の児童(両親の離婚、行方不明、心身障害など)
・両親が死去した児童
・両親に遺棄された児童
・親から虐待を受けている児童

児童自立支援施設

児童自立支援施設は、不良行為やそのなすおそれのある子どもや家庭環境上などの理由によりケアや支援が必要な子どもに対して、一人ひとりの子どもの状況に応じたケアや支援などを行い、子どもの健全育成を図ることを目的とした施設です。

不良行為をなした子どもが家庭裁判所の審判の結果、児童自立支援施設に送致されることはそれほど珍しくありません。

児童自立支援施設は開放施設であり、子ども容易に外に出て行くことができる施設になっているため、犯罪事実が重い場合や非行性が深まっている場合などは児童自立支援施設ではなく少年院に送致されることが一般的です。

児童家庭支援センター

児童虐待や不登校、発達障がい児等に対するケアなど、専門的援助が必要な子ども家庭に対し、早期に支援を展開して児童相談所機能を補完することを目的とし、市町村の子ども家庭支援をバックアップする児童福祉専門施設です。

複雑化する子どもの家庭問題について、ソーシャルワーカーや心理士等の高い専門性と地域の福祉資源を組み合わせて有効に機能させる役割を担っています。

自立援助ホーム

義務教育を終了したがいまだ社会的自立ができていない20歳未満の子どもに対して、共同生活をしながら、就職先の開拓や日常生活上の相談等の援助をすることにより、社会的自立を支援するための施設です。

児童養護施設等を退所した子どもや、その他児童相談所が必要と認めた子どもが入所しています。

住む場所と家庭の食事の提供により安心して暮らせる空間を作り、学歴や資格などを持たない子どもへのの就職支援を行い、自立してひとり暮らしをするために必要な知識や常識などの助言をはじめ、仕事や恋愛、結婚、子育ての相談に至るまで、子どもたちの生涯のサポートを行っています。

乳児院

乳児院は、さまざまな事情によって保護者との生活が困難な乳児を保護し、養育する施設です。

主に0歳児から2歳児ほどの年齢の子どもたちが入所し、24時間すべてを過ごすことになります。

乳児院で過ごした子どもたちは大きくなると、親許へ戻ったり、里親に引き取られたり、児童養護施設へ入所したりします。

乳児院では、医師や看護師も配置されていて、保育士や個別指導員などと協力しながら乳児のサポートを行っています。

助産施設

助産施設、は経済的な事情によって助産を受けることができない女性の出産をサポートする施設のことです。

経済的な事情で病院も助産所も利用できず、自力で産まなければならないといった状況にならないように、法律で助産施設の設置が定められています。

妊婦さんが自治体に申し出ることで助産施設に入所することができます。

産婦人科の病院や助産所が受け入れ先になります。

病院にある助産施設を第一種助産施設、助産所にある助産施設を第二種助産施設といいます。

母子生活支援施設

配偶者のいない女性やそれに準ずる女性と18歳未満の子どもが入所できる施設です。

身体的・精神的な暴力や離婚、経済的な問題などが入所理由となり、生活が困難になった母子を保護したり、自立のために生活の支援をしたりする役割を担っています。

入所費用は世帯の所得に応じた負担があり、電気・ガス・水道にかかる費用はそれぞれ実費負担となります。

児童館・児童センター

0歳から18歳までの児童が遊びを通して元気で情操ゆたかに成長することを目的とした施設です。

教員資格などを持つスタッフが常駐し、季節の行事に関するペーパークラフトの製作や卓球などの運動遊びをはじめ、子ども向けのいろいろな遊びを行います。

また、乳幼児親子向けに、絵本の読み聞かせや子育て教室なども行っています。

児童遊園

児童の健康増進や、情緒を豊かにすることを目的とし、児童に安全かつ健全な遊び場所を提供する屋外型の施設です。

広場、遊具、トイレ等が設置され、児童の遊びを指導する児童厚生員が子供の指導にあたっています。遊具としては ブランコ、砂場、すべり台などがあります。

 

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