福祉施設用語百選 第5話 障害者支援施設とは?
障害者支援者施設は、障がいがある人々を対象に福祉サービスを提供する福祉施設です。
障害者支援施設には主に下記の15種類があります。
就労移行支援施設
障害のある方・難病の方が一般企業に就職するために必要な訓練の提供、就職活動の支援、定着の支援などを行う通所型の施設です。
就労移行支援事業の利用条件は以下の3つに当てはまる方です。
・18歳以上65歳未満の方
・身体障害、知的障害、精神障害、難病の方
・一般企業への就労または開業を希望する方で、就労可能と見込まれる方
就労移行支援施設に通所できる期間は最大24ヵ月です。
就労継続支援施設
障害や難病などの理由により一般企業等での就労が困難な人に対して、働く場を提供するとともに、知識や能力の向上のために必要な訓練を行う施設です。
就労継続支援には、「就労継続支援A型」と「就労継続支援B型」の2つのサービスがあり、どちらも利用期間に制限はありません。
就労継続支援A型
障害のある方と事業所が雇用契約を結び、原則として最低賃金を保障する働き方であり、「雇用型」の障害福祉サービスとして位置づけられています。
一般就労に向けた訓練もサービス対象であるため、最終的には一般就労への移行を目指すものという位置づけになっています。
就労継続支援A型を利用できるのは、一般企業等への就労が困難な方ではありつつ、雇用契約に基づいて継続的に就労することが可能なサービス利用開始時点で65歳未満の方です。
就労継続支援B型
就労継続支援A型とは異なり、事業所とは雇用契約を結ばず、作業に対する「工賃分の金銭」を対価としてもらう「非雇用型」の障害福祉サービスとして位置づけられています。。
比較的自由に働けるといったメリットと、就労継続支援A型と比較して賃金が低い、というデメリットがあります。
訓練サービスを提供している面もあるため、生産活動や就労に必要な知識や能力が高まった方は、就労継続支援A型や一般就労への移行を目指すことになります。
就労継続支援B型を利用できるのは、一般企業等への就労が困難な方のうち、一定年齢に達している方などで、就労の機会等を通して、生産活動に必要な知識を得たり、能力の向上や維持が期待されたりする方です。
就労定着支援施設
一般就労した障害者に対して、就労先の労働環境や業務内容に順応し、長く働き続けられるように支援する施設です。
就職後に生じた課題、悩み、トラブルに対して、就労定着支援員が障害者本人と会社を仲立ちし、相談や助言など必要な支援を行います。
就労移行支援事業所が就労定着支援事業所を兼ねているケースが多く、そのまま同じ事業所に支援を依頼するケースが一般的です。
利用期間は最長3年間です。
心身障害者福祉作業所
知的障害者・心身障害者の地域社会でのくらしを支え、主体的意思を受け止める関係性を構築し、作業活動(仕事)を通して就労意欲に応える一般就労に向けた支援を行う施設です。
工賃取得につながる福祉的就労、社会参加に向けた他者とのコミュニケーション、健康管理、余暇プログラム、高齢化対応を含めた支援を行っています。
生活介護施設
主に日中に、障害のある人へ食事・入浴・排泄などの介助サービスを提供する施設です。
調理・洗濯・掃除といった家事の支援や、日常生活に関する相談対応と助言、創作的な活動や生産活動の機会の提供など、さまざまな支援を行っています。
安定した生活を営むために常時介護などの支援を必要とする人が生活介護施設を利用しています。
自立訓練施設
障がい者に対して、自立した日常生活をおくるのに必要な訓練や相談、支援を行う施設です。
身体障害や難病のある方が対象で、身体機能のリハビリテーションや歩行訓練などの理学療法・作業療法を行う「自立訓練(機能訓練)」と、精神障害(疾患)のある方が対象で、安定した社会生活を営む上で必要な睡眠、食事、活動、休息、服薬管理など の 生活習慣を整え、自立した生活基盤を整えるため「自立訓練(生活訓練)」の2種類があります。
宿泊型自立訓練施設
知的障害または精神障害のある方に対して、居室その他の設備を利用させるとともに、家事等の日常生活能力を向上するための支援、生活等に関する相談・助言などの必要な支援を行う施設です。
障害のある方の積極的な地域支援の促進を図るために、昼夜を通じた訓練を実施するとともに、地域移行に向けた関係機関との連絡調整を行います。
自立生活援助施設
ひとり暮らしなど地域での独立生活をはじめた障害者に対して、生活上の困りごとの相談を受け、自力で解決できるように援助する施設です。
相談できる内容は、食事や洗濯掃除といった家事全般のことだけでなく、体調やお金の管理、近所との付き合いなども含みます。
支援者は月2回以上の定期的な家庭訪問をしたり、トラブルが起きたときに必要に応じて助言をしたり、医療機関との連絡調整などを行ったりします。
療養介護施設
長期的な入院や常時介護を必要とされる方、その両方が必要な方に対して、治療、機能訓練、療養、看護、介護および日常生活上の世話などの支援を行います。
療養介護施設には通い型の「療養通所介護」、30日まで連続利用が可能な「短期入所療養介護」、要支援1・要支援2の方が対象で30日まで連続利用が可能な「介護予防短期入所療養介護」などがあります。
地域活動支援センター
地域活動支援センターは、地域で暮らす障害者の日常生活や社会生活をサポートする施設です。
障害者に対して、創作的活動または生産活動の機会提供と地域社会との交流の促進を図ります。
地域活動支援センターの活動内容は「基礎的事業」と「機能強化事業」の2つに分かれており、さらに「機能強化事業」は「Ⅰ型」「Ⅱ型」「Ⅲ型」の3つに分かれています。
基礎的事業
創作活動や生産活動の機会の提供をおこなっています。
具体的には、手芸品や工芸品を製作したり、習字をしたり、絵を描いたりします。
また、完成した作品をバザーなどのイベントで販売することもあります。
機能強化事業Ⅰ型
困りごとの相談受付や地域の医療機関や支援機関と連携して障害のある方のサポートなどを行っています。
Ⅰ型の地域活動支援センターには、社会福祉士や精神保健福祉士などの専門スタッフの配置が義務付けられています。
機能強化事業Ⅱ型
働くことが難しい障害者に対して、身体機能の維持や向上を目的とした機能訓練や、対人関係をスムーズにするための社会適応訓練などを行います。
入浴サービスなど生活面の支援もおこないます。
機能強化事業Ⅲ型
障害者からの相談を受け付けたり、作業の場を提供したりなど、支援内容は施設によって多岐に渡ります。
通所による障害者支援の実績が5年以上あり、安定的に運営していることがⅢ型の条件です。
障害者グループホーム
障害者が日常生活の支援を受けながら共同生活を送る施設です。
食事や掃除、入浴など日常生活を送るうえで必要なことのサポートを受けながら、地域の中にある共同生活住宅で暮らし、自立を目指します。
住み慣れた場所で暮らしたい方、入所施設ではなく地域で生活したい方、親元から自立したい障害者が利用しています。
障害者グループホームは、提供するサービスの内容により主に3種類に分かれます。
介護サービス包括型
夜間や休日に介護を必要とする方向けのグループホームです。
食事、入浴、排せつなどの介護を行います。
日中活動サービス支援型
短期入所施設を併設、もしくは24時間支援体制で、日中の活動もサポートします。
介護のほか、日常生活の支援も行うほか、相談を行うこともできます。
外部サービス利用型
夜間や休日の相談対応や家事など日常生活上の支援を行っています。
入浴等の介護は事業所が委託している介護事業者から受けられます。
利用者は障害の程度が軽い人が多い傾向です。
身体障害者福祉センター
身体障害者や家族に対し、無料、または低額な料金で各種の相談に応じたり、機能訓練や教養の向上、社会との交流の促進、レクリエーションのための便宜を総合的に供与する施設です。
身体障害者福祉センターには次の4つの種類があります。
A型
各種相談に応ずるほか、機能訓練や社会との交流の促進、スポーツ・レクリエーションのため、必要な支援を総合的に行います。
B型
障害者デイサービスやボランティアの養成、その他身体障害者の福祉の増進を図ります。
在宅障害者デイサービス施設
在宅の身体障害者が自宅から通所し、創作的活動や機能訓練などを行います。
障害者更生センター
広域的な利用施設として景勝地や温泉地などに設置され、障害者とその家族が気軽に宿泊したり、休養することができるほか、レクリエーションなどのための必要な支援を行います。
聴覚障害者情報提供施設
視覚や聴覚に障がいのある方の社会参加や自立の促進を目的に、情報提供や生活に必要な訓練、相談業務などを行う施設です。
聴覚障害者用ビデオテープの制作・貸出、手話通訳者の養成、派遣など様々な事業を行っています。
補装具製作施設
義肢装具製作施設とも言われ、義肢装具の製作、修理を行う施設です。
義肢を初めて装着する人には使用訓練を行い、義肢の構造や機能、取り扱い方法、手入れの方法についての指導を行っています。
盲人ホーム
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の免許をもつ視覚障害者で、自営または雇用されることが困難な方に対し必要な技術の指導を行い、自立更生を促す施設です。
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